【不動産取得税とは?】計算方法や納付方法を解説!お得な軽減措置の受け方も紹介

高額な土地や建物を取得した結果、不動産取得税の支払いに頭を抱える医師の方も少なくないでしょう。不動産自体が高額であることから、支払う不動産取得税も決して少額ではなく、特に高額な不動産を購入する傾向にある医者は注意が必要です。

一方で、不動産取得税にはさまざまな軽減措置や控除が用意されていますが、適用のためには自身で申告する必要があるため、多忙な医師といえど適切な知識を得ておく必要があります。

そこでこの記事では、不動産取得税の概要や計算方法、軽減措置や納付方法について詳しく解説します。この記事を読むことでリテラシーを向上し、余裕を持った資金計画のもとで不動産を購入しましょう。

目次

1. 不動産取得税とは

不動産取得税とは、土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得した際に、取得した方に1回だけ課される税金です。当然、医師が投資用マンションを購入した際も、必ず支払い義務が生じる税金です。地方税の1つであり、取引された不動産の所在する都道府県に納税することになります。

具体的には下記のような不動産の取得が課税対象になります。

課税対象になる取引課税対象にならない取引
田、畑、住宅地、塩田、鉱泉地(温泉など)、池沼、山林、牧場、原野などの土地の購入住宅、店舗、工場、倉庫などの建物の購入(新築・中古問わず)不動産の贈与・交換・増築など相続・包括遺贈・相続人への遺贈によって不動産を取得する 購入した不動産の評価額が極端に低い

【参考】不動産取得税|総務省

不動産取得税|東京都主税局

不動産取得税は不動産の取得、つまり「所有権を持つこと」が課税の対象となるため、不動産取得の際にお金を払ったかどうかは関係なく、仮に無償で引き取った不動産でも課税対象です。

一方で、相続した不動産は不動産取得税の課税対象外ですが、相続税の課税対象となります。

2. 不動産取得税の計算方法

不動産取得税の計算方法は下記のとおりです。

不動産取得税=取得した不動産(土地・建物)の固定資産評価額×標準税率

計算式はシンプルであり、固定資産評価額と標準税率によって簡易的に算出されます。

それぞれについて解説します。

固定資産評価額

不動産取得税の計算における固定資産評価額とは、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて土地や建物が評価され、最終的に各市町村長が決定した価格のことです。

それぞれ、下記のように評価されています。

  • 土地:総務省が定める地価公示価格の70%を目途に評価額を計算する。(令和9年3月31日までに取得した場合、投資用でも居住用でも当該土地の課税標準額は価格の1/2で計算される。)
  • 建物:再建築価格(評価対象家屋と同一の家屋を、評価時点においてその場所に新築する場合に必要とされる建築費)及び経年減点補正率(家屋の建築後の年数の経過に応じて生じる減価を基礎として定めた率)等に応じて、評価額を計算する。

上記が合算されて最終的に決定されますが、相続税や固定資産税の計算に用いられる路線価(道路に面した標準的な宅地の、1平方メートルあたりの価格)や、実際の売買代金が用いられるわけではないため、注意が必要です。

標準税率

不動産取得税の計算における標準税率は原則4%ですが、令和9年3月31日までに取得した場合は下記のような軽減措置が適用されます。

令和9年3月31日までの税率従来の税率
土地3%4%
家屋・住宅3%4%
家屋・住宅以外(投資用含む)4%4%

【参考】不動産取得税|東京都主税局

投資用マンションの購入においては、基本的に軽減措置が適用されない可能性が高い点に注意しましょう。

不動産取得税の軽減措置

軽減措置で標準税率が3%に軽減しているとはいえ、不動産は高額な買い物であるため、3%の税率でも支払う金額は少なくありません。

そこで、不動産取得税にはそれぞれ下表のような軽減措置が別途適用されます。

軽減措置適用条件
新築土地固定資産税評価額×1/2×3%−控除額
:下記のいずれか多い金額が控除4万5,000円(土地1㎡あたりの評価額 ×1/2 )× (住宅の床面積×2)× 3%
建物が条件を満たしている上で、
土地取得から3年以内に建物を建てること土地を借りて建物の建築を先行した場合、新築した人が新築1年以内にその土地を取得すること
建物(固定資産税評価額−1,200万円)×3〜4%
:1,200万円が固定資産税評価額から控除
自身の居住する建物であること床面積50㎡以上240㎡以下であること
中古土地新築同様建物が条件を満たしている上で、土地取得から前後1年以内、もしくは同時に建物を取得すること
建物(固定資産税評価額−控除額)×3〜4%
:建物の新築された日に応じた額が、建物の税額から控除(下表A:参照)
新築の要件に加えて以下の条件を満たすこと昭和57年1月1日以降に新築されたもの地震に対する安全基準に適合することが証明されたもの
※昭和57年1月1日以前の新築物件は新耐震基準をクリアすれば適用される

【参考】不動産取得税|総務省

上表のとおり、不動産取得税には条件さえ満たせばさまざまな軽減措置があります。

しかし、軽減措置を適用させるためには、不動産所得税の申告と同様に必要書類を都道府県税事務所へ自分自身で申請する必要があるため、注意が必要です。

また、建物に対する固定資産評価額の軽減措置はあくまで「個人が自己の居住用に取得した住宅であること」と指定されており、投資用物件の場合は建物の適用条件が満たされず、同時に土地の軽減措置も適用されない点も覚えておきましょう。

※土地の固定資産評価額に対する1/2特例は投資用でも適応される

表A:新築時期と控除額

新築時期控除額
昭和51年1月1日〜昭和56年6月30日350万円
昭和56年7月1日〜昭和60年6月30日420万円
昭和60年7月1日〜平成1年3月31日450万円
平成1年4月1日〜平成9年3月31日1,000万円
平成9年4月1日〜1,200万円

【参考】不動産取得税|主税局

不動産取得税の計算シミュレーション

物件条件:課税床面積75㎡、共有持分の土地面積50㎡、土地の固定資産税評価額2,500万円、建物の固定資産税評価額1,000万円の物件を新築で購入

自宅用に購入した場合:

土地:2,500万円×1/2×3%-控除額112.5万円=0円
(控除額:(2,500万円/50㎡)×1/2×(75㎡×2)×3%=112.5万円>4.5万円)

建物:(1,000万円-控除額1,200万円)×3%=0円

投資用に購入した場合:

土地:2,500万円×1/2×3%=37.5万円

建物:1,000万円×4%=40万円

自宅用に軽減措置が適用される場合、不動産取得税は0円ですが、投資用の場合は77.5万円と高額な税金が生じてしまうことがわかります。

支払うべき税金は事前にある程度概算できるため、不動産購入時には税金の支払いも考慮し、余裕をもった資金計画を立てましょう。

3. 不動産取得税と固定資産税との違い

不動産を所有した場合、不動産取得税の他に固定資産税も支払う必要があります。

どちらも地方税ですが、固定資産税は不動産を所有する限り毎年必ず発生する税金であり、具体的には下表のような違いがあります。

不動産所得税固定資産税
対象固定資産税評価額固定資産税評価額
納税義務者不動産を取得した人毎年1月1日時点の所有者
時期取得から数ヶ月〜1年ほど。納税通知書の期日に応じて納税する。4月・7月・12月・2月の年4回。※なかには時期が異なる地域もある。
納税先都道府県市区町村

【参考】固定資産税|総務省

4. 不動産取得税はいつ支払う?

不動産所得税を実際にいつどのように支払うのか、事前に知っておかなければ申告漏れや延滞してしまう可能性もあるため、正しい手順を知っておくことが重要です。

ここでは、不動産取得税の納付時期や実際の手続きを紹介します。

不動産取得税の納付時期や手続き

不動産取得税の納付手続きは主に下記の3ステップです。

  1. 不動産取得後、期限内に都道府県税事務所に「不動産取得税申告書」を提出する
  2. 同時に軽減措置を受ける場合は必要書類を申告書に添付する
  3. 都道府県から送付される「納税通知書」に記載の期限内に納付する

「不動産を取得した日(=登記が完了した日)」から各都道府県の定める期間内(東京都なら30日以内)に土地・建物が所在する都道府県税事務所に「不動産取得税申告書」を提出します。

ただし、この期間内に登記を申請した場合には、原則として申告は不要となります。

実際には期日までに申告する人は少数で、申告しなかった場合でも不動産取得から数ヶ月後に各都道府県から納税通知書が送られてくるため、それを受けて納税する人が大半です。

しかし、この場合は軽減措置は適用されていないため、軽減措置の適用条件を満たす方は必ず事前に自身で申告書を送付するか、納付後に気付いたとしても不動産取得から5年以内であれば還付を受けられます。

なお、期限を超えても納付を行わなかった場合、2026(令和8)年1月1日から同年12月31日までの期間は、2ヶ月以内で年2.8パーセント、2ヶ月超過で年9.1%の延滞税特例基準割合が適用されるため、必ず期限内に納付しましょう。

5. 不動産取得税は確定申告で経費にできる?

不動産取得税は確定申告の際に経費として計上できるため、特に所得税率の高い医師は有利です。

例えば、上記で挙げた例(固定資産評価額がそれぞれ土地2,500万円、建物1,000万円の投資用マンション購入)では77.5万円の不動産取得税が発生していましたが、これは購入者の年収や職業とは関係なく、土地や建物の固定資産税額で決まります。

一方で、支払った不動産取得税は確定申告で租税公課として不動産収入から差し引かれ、不動産所得は給与所得などと損益通算できるため、言い換えれば支払った不動産取得税は給与所得と相殺できるわけです。

最終的には相殺された課税所得に対し、所得税率が掛け合わされて支払う税額が決定するため、所得税率が比較的高い医師は恩恵を受けやすいことになります。

まとめ:不動産取得時は余裕を持った資金計画を

土地・建物を取得した際、必ず支払う義務が生じる不動産取得税。

特に医師の場合、投資用マンションを複数件同時に購入する方も少なくありませんが、その場合、土地や建物に対する軽減措置や税率の優遇は得られなくなるため、多額の出費が生じることになります。

また同時に固定資産税の支払いも生じるため、必ず購入前に試算し、余裕を持った資金計画を立てた上で購入しましょう。

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